すごい! 見つけたね!



ずーっと先の彼ら。

『信隆様、Forever』



「ねえ、都築教官知らない? さっきちょっと見かけたんだけど…」

「え、どっち? GM(ゼネラルマネージャー)?CCP?」

「あ、CCPの方」

「GMは今日は公休だよ。CCPはさっき審査乗務から帰着されたから、今多分審査会議に行ってると思うよ。もうちょっと待ってたら会えるんじゃない?」

「そっか、ありがと。ってか、ややこしいねえ、都築教官が2人で」

「だよねえ。ま、来栖キャプテンも2人でややこしいけど」

「や、あそこは『パパ・キャプテン』と『ゆっきーキャプテン』で使い分けてるからOKだよ」

「都築教官のことも、上の人たちは『香平くん』なんて呼んでるけど、私たちはそうはいかないもんねえ」

「いっそのこと、GMの方を『信隆様』って呼ぶのはどうだろ」

「やだー、似合い過ぎ」

「いやいや、何てったって、客室乗務員部の城主様だからね。我らの『お館さま』だよ」

「じゃあ、CCPは『若君』だね」

「うわー、そっちもハマり過ぎ〜!」

「ってか、CCPもゆっきーキャプテンも、時間止まってるよね」

「あそこまで若くて可愛いまんまだと、女子の立場ないよね」

「でも、2人とも、『いい歳してちっとも貫禄がつかない』って悩んでるよ」

「いいのいいの、実力、人望共に満点だから」

「だね〜」

                   ☆★☆

「あ! さっき都築教官探してなかった?」

「うん。審査会議中って聞いたから待ってるんだけど」

「会議室前で捕まえないと、逃がしちゃうよ」

「え、なんで?」

「GMが迎えに来てたから、終わったらあっと言う間に拉致っちゃうかも」

「うわー、天下のGMも、公休日はCCPの専属運転手だな」

「相変わらずラブラブだね」

「まったく。十年経っても新婚さんだなんて、ホント羨ましい〜」

「見ててこっちも幸せ気分になるし、なんてったって眼福だよねえ」

「そうそう。太田CPが言ってたけど、訓練センターで牛島教官とか小野教官に鍛えてもらって、現場に出てからは都築教官たちに導いてもらえる今のクルーは本当に幸せだよって」

「それ言えてる。厳しいけど暖かいよね、みんな」

「だよね」

「さ、今日も頑張って飛ぶぞ〜!」

「あ、私、来週のニューヨーク便、ダブルキャプテンがなんと、来栖親子なんだよ」

「え〜! 羨ましい〜!」

「コ・パイ、誰?」

「わんこ」

「ぷっ。そのコックピット、覗いてみたいかも」

「同じく〜!」


 こうしてキャビンクルーたちは、今日も元気に空を飛ぶのでありました。

END

2016.5 UP

え? わんこ? それはまたのお楽しみ〜☆


I have!へ

Novels TOP
HOME