おにいちゃまたちのお・し・お・き?(笑)





「…あ、っ、…んっ…」

 切れ切れに声が上がる。
 それが、揺すり上げるリズムに同調していて、なんだかすごく艶めかしい。

「もう、絶対ダメだからね…」

 荒くなっていく息の下で言ってみる。
 けれど、聞こえているのか、いないのか…返事は、ない。

「もう…あんなこと…ぜったい、させないっ」

 言葉の終わりに、まるで念を押すように強く押し込むと、細い身体はビクッと震えて、また艶やかな声があがる。

「…わ、わかって…る、から……っ、あぁっ…」

 そう言われても、身体の熱は止まらない。
 
 わかっているといわれても、さらに、もっと、忘れないようにその身に刻みつけるだけ。
 



 腕の中の愛しい子は、その容姿と質のせいでひどく人目を引いてしまう。
 それこそ、羨望のまなざしから邪な視線まで。

 だから、本音を言えば、どこへも出したくないのだ。
 自分の恋人はこんなにも愛らしい…などと、見せびらかす気は毛頭ない。
 そんなことは、自分だけが知っていればいいことなのだから。
 

 そう…。
 こうして…。

「やぁ…・っ」

 我を忘れて乱れるさまも…。

「…も…おね…が、いっ…」

 目尻に涙をためて哀願する姿も…。

「おねがい…?なに?」

 全部自分一人のもの。 



「いわなきゃ、わからないよ…」

 耳元で囁くと、無意識にだろうが、ぎゅっと締め付けられた。

「…っ」

 あやうく連れて行かれそうになったのを息を詰めて耐え、今一度、きつく腰を抱き寄せる。
 その刺激のせいか、涸れ始めている喉がヒュッと鳴った。
 
「悪い子だな。まだお仕置きが足らないみたいだね」

 そう言った途端、濡れた瞳が大きく見開かれた。
 怯えの色すら伺える。

「も…だ、め…」

 そろそろ限界、か。

「じゃあ、言って。どうして欲しい?」

 限界なのは、自分も同じ。
 いや、きっと自分の方が重症だ。
 だから言って。早く。
 どうして欲しい? 
 言えば何でもしてあげる。
 
 全身を強すぎる快感に覆われて、肌はもうこれ以上染まらないほどに朱くなり、意識は羞恥を葬り去る。

「いかせて…っ」

 そう…すべてを委ね、あとは高みを目指そう。
 綺麗だよ、とっても。

「…よく言えました」


 仰せのままに、愛しい人。
 


 命すら捧げ出せる…この想いを、全身で受け止めて…!
 


 
END

おにいちゃまたちの、コワイほどの愛でした(笑)

読み方ガイド:文中の『自分』を『俺』と読むと『智×直』バージョンに、
『僕』と読むと『悟×葵』バージョンになります。
いえ、決して手抜きでは…(^^ゞ

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