31日限定超おバカSS

不思議の国のえっちなフルート

U太郎さまに捧ぐ。





 ここに、一本のフルートがある。
 艶やかに光る総銀の、華奢でしなやかなボディ。
 ひとたび息を吹き込むと、誰もがその虜となってしまうフルート。
 だがそのフルートの本当の姿を知るものはいない。




 …そのフルートには人格が宿っているという…。





「なんて美しいフルートなんだ」

 そして、ここにまた、このフルートに魅せられたものがいる。
 某名門私立男子校・管弦楽部の次席フルート奏者・Y。

 Yはそっとその楽器を手に取った。
 やんわりと唇を押し当て、ふうっっと息を送り込む…。

 と。

「…え?」

 今、フルートがその身をよじったような気がするのは何故?

 一瞬眉を寄せたYだが、一度傾げた首を元に戻し、またその熱っぽい唇を押し当てる。

 すると…。

『ボワン』といういかにも安物臭い効果音が入り、手にしていたフルートがふと重くなった。


「わ? わっわわわっ!」


 いつの間にやら、Yの膝の上には可愛い男の子。
 何故か彼の『肝心な部分』にはフルートのキーがついていて…。


『僕を呼んだのはキミ?』

「…う、うん」


 呼んだ覚えはないが、こんな可愛い子なら大歓迎だ。


『呼びつけたからにはちゃんと可愛がってね』


 いつの間にやら男の子になったフルートは、Yの手を取り、そっとキー(この場合、両胸の×××)に導いた。

 そして、艶やかに光る唇をツンと突き出す。

『ハイ、息入れてね』
 
「…こ、ここから息入れていいのっ?」

『当たり前じゃない、他の何処から息入れるっていうの? ほら、早くぅ』

「わ、わかった」


 Yはそっと唇を重ね…。

 軽く啄むようにして、そっと息を入れ、そして、音を出すべく、左胸のキーを操ると…。


『あっ』

 …うわ!
 でも…今のは何だ? 口を塞いでるのにどうして声が…。

 今度は右胸のキーを塞いでみる。

『んっ』

 華奢なボディから出たとは思えないほど艶やかな…やっぱり、声?
 もしかして、他の『声』も出るのだろうか?

 息を抜き加減にしてみると……。
『う…ん』

 くすぐるように息を入れると…。
『いや…っ』

 オーバーブロウに激しく息を吹き込むと…。
『やめ、て…っ』



 ついでに舌を入れてみると…。(入れるなっ)
『ふぅ…ん』




 なんて素敵なフルートなんだ。
 Yはそのボディを抱き上げるとそのまま自室へ連れ込んだ。

 だが…。


『やだっ、へたくそっ、出直してこいっ』


 Yはいったい何処のキーをどのように押してしまったのだろうか?
 まさか、音の出るところに何か突っ込んだと言うことはあるまいな。



 ワンポイント解説:音の出るところっつーのはたいがい息を入れるところとは反対のところですね。



 しかし、その後、Yはそのフルートに触れることは出来なかったという…。


 その名器の名は、今更だが……『AOI』。


 噂によると、今はピアニストの相手に忙しいらしい。



END



隠し文章もお見逃しなく(笑)

バックで戻ってね〜v

UP後にいただいた爆笑ご感想

『フルートの吹けないピアニストが、どうやってあのフルートを愛でているのかは疑問ですv
分解(素っ裸に)して、丁寧にお掃除(撫でまくる)?』
某管理人様より