まつさまからの爆笑頂き物

『贋作:私立聖陵学院学生食堂!おばちゃんの手記』

その8

〜愛の嵐(嘘)〜


 うーん、なんだか不思議なことになってるねぇ…。

 森澤くんはひたすら下向いて食べてるし、その隣の早坂くんは不自然なくらい明るく浅井くんや中沢くんとおしゃべりしてる。
 でもどう見てもお互い意識しまくってるのがバレバレっていうかねぇ。
 そうか、あの二人やっぱりそうだったんだねぇぇ〜
ふふっ、わかりやすい奴らめ。
 あとでみんなにも教えてあげなくちゃねぇ。
いけいけ、おばちゃん!
 そんで、葵ちゃんは守くんと仲良さそうに話してるし。
 でもただ仲良く話してるっていう風でもないんだよねこれが。

 守くんはいつになく優しい目で葵くんを見てるし、葵ちゃんは葵ちゃんで、なんていうのかねぇ、『相手を信頼しきってます』って微笑み。
 あんな微笑みを向けられたら、たとえそんな気がなくてもすっかりその気にさせられそうだよ。
兄弟愛を越えたかっ(ち〜が〜う〜)

「守と奈月が…」
 おや、大貴くん。
学院一鈍い男登場!
「守の本命は奈月だったのか…奈月もあの様子だと守を? …じゃあ悟は? …いやでも…」
あたまぐるぐる〜。
 トレイ持ったまま呆然と立ちつくしてるよこの子は。

 妄想してないで早く進んでくれないと後がつかえてるんだけどねぇ。
 ほら、一緒に来てた浦河くんに怒られてるよ。
不憫だ、浦河くん・・・(涙)
 まったくねぇ、大貴くんも人の心配してないで、もう少し自分のこと心配した方がいいと思うけどねぇ…
 知らぬは本人ばかりなり、ってね。
 浦河くんも大変だろうよ…鋭いようで自分のことにはとことん鈍いのが相手じゃあねぇ。
浦河くん、大貴のどこがいいんだ?ん?いってごらんv




「東吾」

 守くんが下向いてた森澤くんの顎を指で掬いあげた。
 うーん、色男は普通の人がやったら笑われるようなキザな仕草も様になるねぇ。
うみゃ〜!!
 おや、食器を片づけていたかわいい一年生ちゃんが「ああ僕もあの指で触って欲しい…」なんて悶絶してるし。


「なんだよ、守」
 森澤くんも突然の守くんの行動に、ちょっと焦ってるよ。

「ご飯粒、ついてる」

 そういって守くん、森澤くんの口の端についていたご飯粒を取り、そして…自分の口に入れちゃったよ!
どわぁぁぁぁ!!
 さすがにこれには、成り行きを見守っていた他の生徒さんもびっくり仰天。
ほら、サッカーの試合とかでよくやってる、バンザイしながら順番に立つやつ…ウエーブとかいうんだっけ?
そうそう、おばちゃん。正解(笑)
 あれみたいにざわめきが広がって…

 おやおや、茹で蛸になってるのもいるよ…素直な反応だねぇ、早坂くん。
 そんなに箸を握りしめてたら折れるって……ほら。
 しかしさすがは運動部所属だねぇ、片手で箸を軽々と折っちゃうなんてね。
陽司、噴火。

 でもおばちゃんは見てたよ、守くんが早坂くんの方をちらりと見て、ニヤリと笑ったのを。
おおう!さすがだ、おばちゃんっ!
 他の人は気がついてないみたいだけどさ…いや、葵ちゃんが気がついてたみたいだね。
 あきれた顔で守くんを見てるよ、「まったく、しょうがないんだから」って。
悪いにいちゃんだね〜v
 ほんと、しょうがないねぇ、煽ってどうするんだよ煽って。
 まあ、煽って早坂くんと森澤くんの仲が燃え上がったらそれはそれで成功なんだろうけどね。
東吾が壊れたら、守が責任取るんだろうか?(笑)


 おやまあ、こっちにも真っ赤になってるのがいるよ。

「守先輩って…本命は森澤先輩って話、本当だったんだ…」
 どうでもいいけど羽野くん、よそ見してたらうどんが落ちるって。
自称ノーマル少年には刺激が強かったか?
「羽野ぉ〜、なに羨ましそうに見てるんだよ〜」
 どこからわいて出たんだい、茅野くん。
いつも君の側に(爆)
「だっ、誰が羨ましそうに見てるんだぁぁっ!!」
ふふっ、隠してもダメダメv
 茅野くん、羽野くんの背後から抱きついてるよ。
 しかし相変わらず二人セットで仲がいいことだねぇ。
部屋も一緒だし〜v
 ほんとのところはどうなんだい?
 あたしゃ茅野×羽野の単勝に賭けてるんだけどねぇ。
『羽野くんが転ぶ』のはら○いらさんに全部(古っ)
「照れるなよ、羽野〜、そんなに羨ましいんだったら、俺がやってやるって」
うっわ〜v
「照れてないっっ! それに『やってやる』って何を!!」
何と言えばナニ。
 羽野くん、茅野くんに抱きつかれてかなり本気で嫌がってるよ。
 でも端から見たらいちゃいちゃしてるようにしか見えないけどねぇ。
それが正しい見方でしょうv
 ほら、密かに羽野くん狙いの子たちが嫉妬混じりの目で茅野くんを見てるよ。
おばちゃんの孫も羽野くん狙いですv
「ここでは言えないな…後で二人きりになってから、な」
「俺はっ、ノーマルだぁぁぁっっ!!」
待ってました(爆)
 あーあ、あんまり暴れるからやっぱりうどんこぼれちゃったじゃないか羽野くん。
 ちゃんと後始末しときなよ?食べ物を粗末にしたら罰が当たるよ。
 でも二人っきりになったとき一体ナニする気なんだい、茅野くん?
 後でぜひ、ナニしたのか教えて欲しいもんだねぇ。
おばちゃん、『夕食大盛り』で茅野くんを懐柔だっ!


 さて、みんなそろそろ食事を終わって帰る頃かね。
 おや? ぞろぞろと出て行く人の波に逆らって、こっちに向かって来る人もいるよ。
 あの姿は…ああ、悟くんじゃないかい。遅いお昼ご飯だねぇ。
悟はお腹が減っていても、決して駆け込んできたりはしません(笑)
 ん?
 悟くん、どこ見てるんだい?
ふふっ。
 今まであたしたちには見せたことのない、嬉しそうな…と言うより幸せそうな表情である一点を見つめてるよ。
 思わず悟くんの視線を追っちゃった。
(  ・ _ ・  ) ジー
 ん? んん?? んんんん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜?????

 悟くんの視線の先にいるのは…葵ちゃん!?
ぴんぽ〜んv
 それだけでもびっくりなのに、浅井くんたちとじゃれ合いながら食器を片付けにきた葵ちゃん、悟くんと視線が一瞬絡んで…
じゃれてるんだ…くすっ。がんばれ、祐介(笑)
 こっちも幸せそうに微笑んでるよっっ!!
 どういうことだい? やっぱり裏山で見たあの光景は間違いじゃなかったってことかい!?
ふっふっふ。
「おばちゃんおばちゃんっ!今の見てた!?」
 その光景を目撃していたらしい大貴くんが慌てた様子でやってきた。
お。大貴、珍しくめざとい(笑)
「もちろん見てたよ!」
「やっぱり悟の本命は奈月だったのか!?」

 そういえば大貴くん、悟くんチェックの方はどうなってるのかねぇ?
 情報一つにトンカツって契約を結んでるけど、今まで貰った情報は最近悟くんが不気味ににこにこしてるってことくらいでさ。

「悟ってなかなかしっぽ出さなかったけど…今度こそ絶対捕まえてやる!」
「その意気込みだよ、大貴くん! 決定的な証拠掴んだら、卒業まで全メニュータダで食べさせてあげるよからね」
 それ聞いた大貴くんの目が、きらりんvと光ったね。
おばちゃん、ついに伝家の宝刀を抜いたぞっ!
「ほんと、おばちゃん!? 悟〜、待ってろよ〜!」

 やっぱり若い子は食べ物で釣れるねぇ。
 頼むよ、大貴くん! 今度こそ期待してるからね!

大貴のやる気に火がついたっ?
それより君ねぇ、浦河くん大切にしてやんなよ…。
どうなる、生徒会室!

とうぜん、つ・づ・く(笑)



新学期の食堂、いかがでしたか?
食べ盛りの生徒たち、ご飯に恋に、忙しそうです(笑)

まつさま、本当にありがとうございましたv
続き、まってますv(*^・^)CHU〜☆

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