天空神話

翔凛への手紙
by 桜はるかさま


  翔凛へ。

  今回の災いで、鈴瑠と竜翔はこの世での命を終えることだろう。
  それはあのとき君も、わかっていたんだよね?
  でも、二人はいつか必ず次の生を受けてめぐりあう。
  誰もがそう信じているように。

  それでも二人は本当に幸せだったのだろうか、と。
  きっと多くの人たちが思わずにいられないだろう。
  短い生をかけぬけるように生き、
  深く愛しあいながら体を交わすことすらできなかった。
  翔凛、君はどう思う?
  二人は幸せだっただろうか。

  この手紙を読んでくれている今、
  君はどんなふうに成長したことだろう。
  安全な地にたどりついて一息ついた頃か。
  それとももう、父・竜翔のように民を力強く守っているのか。

  まだ小さい翔凛を里から出さなければならなくなって、
  竜翔も鈴瑠もどれだけ胸を痛めたか。
  それでも二人は心に固く誓っていた。
  君のことをずっと見守っていると。
  強く優しく育って欲しい、
  そして、愛する人と幸せに生きて欲しいと願いながら。

  翔凛、君は自分を犠牲にしてでも守りたい誰かを、
  見つけることができただろうか。
  いつか輪廻に帰りまた新しい生を受けたとき、
  再びめぐりあいたいと思えるような、そんな出会いが君にあることを
  僕も心から祈ってる。
  鈴瑠と竜翔が本当に幸せだったのだと、
  そのときまた、わかるはずだから。


桜はるかさまからいただきました『翔凛への手紙』です。
設定は『そのうちみつかるだろうと翔凛の荷物に忍ばせてあった一通の手紙。差出人不明。(笑)』
と言うことだそうですが…。
私、泣いてしまいました(>_<)
はるかさま、ありがとうございました〜!!

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