さて、温泉v
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「のぼる…」 「…ん…な、に…」 「お前、身長の伸び、止まったな…」 「え?」 唐突にそう言われて、昇は浮遊しかけていた意識を一気に引き戻した。 「そ、それって…」 「ほら、去年の夏、かなり伸びたじゃないか。だからこのまま大きくなるのかと思ったら、ピタッと止まったようだな」 そう言いながら直人は昇の金色の髪を弄ぶ。 「それに一時はちょっと大人びた顔をしてたのに、最近またあどけない顔になってきたし」 「ど、どういうこと…」 直人の言葉に昇は、浸かっている湯ごと冷えていくような錯覚に陥る。 「やっぱりお前と葵は似てるよな」 それはいいのだが…。 「ぼ、く…そんなに変わった…?」 ちょっと声が震えているのだが、直人は気付かない。 「いや、変わったんじゃなくて、元に戻ったって感じかな」 嘘だろ〜…と、内心で昇が呟く。 実は最近同じことを兄弟たちからも言われていたのだ。 それも、別々のシチュエーションで。 例えば悟は…。 「痩せた?」 と聞いてきたので、「ううん」と答えた。 確かに痩せてはいない。体重は変わらないから。 すると悟はまじまじと昇を眺めてこう言ったのだ。 「ああ、華奢になったのか」 今から華奢になってどうすんだよ〜!と内心で騒いでみたが、自分でもちょっとそんな気がする。 はっきり言って、身長の伸びが止まったのも事実だ。 そして、末っ子は 「なんだかまた『守ってあげたい』って感じに戻ってきたね、昇」 と、宣ったのだ。 確かに『守られたい』よりは『守ってあげたい』タイプなのだろうとは思うが、それにしても、よりによって葵に、しかも見上げながら言われるとは…。 そしてとどめは守だった。 「やっぱりさ、葵を追っかけ回してるときは、男性ホルモンが勝ってて、先生に可愛がってもらうようになってからは女性ホルモンが増えてんじゃないか」 などという、恐ろしいことを平然と言ってのけたのだ。 しかも、 「まあ、可愛がられてるうちに確かに腰のラインとか柔らかくなってくるしなぁ」 なんていうオプションつきで。 「どうした?昇」 直人は固まってしまった昇をあやすように揺すってみる。 「こんな僕…いや?」 「どうして?」 「だって…」 「大きかろうが小さかろうが、昇は昇だろう?まあ、私より大きくなられるといろいろと面倒だから、今くらいがちょうどいいんじゃないか?」 その言葉に、『面倒ってなんだよ〜』と、心の中で突っ込んでみるが、口にすると『こう言うことだ』な〜んて言われてとんでもないことになりそうな気がするので、やっぱり黙っておくことにする。 「昇はどんなときでも可愛いよ…」 耳のすぐ側でそんなことを囁かれると…もう…。 直人の指が、スッと昇の背を滑って落ちた。 「…あ」 |
これ以上はここではお見せできません(笑)
まだまだ詳しく覗きたいとおっしゃる「精神年齢18歳以上」の貴女v
いってらっしゃ〜いv
タイトルは『センセと昇くんの温泉旅行』です(*^_^*)
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