そして、結末・・・。

ここまでやって来たあなた…。
偶然? それとも…何かが呼んだ…?




「んっ…あ…っ」

 小さく悲鳴を上げて、葵が身体を反らす。

 その上り詰める瞬間をきつく抱きしめて、僕も葵の中に自分を解放する。

「は…ぁ……」

 肩で息をする葵を抱きしめたまま、僕も息を落ち着かせようと、二度、三度、深く息をつく。

 すると…。


『カタカタカタ…』


 風もないのに、襖が音を立てた。

 僕が少しだけ身体を起こすと、ぬるい風がふんわりと横切った…。

 これは…あの時の感じと…同じ…?

 風はほんの少し、葵の汗で濡れた前髪を揺する。





「そっか……よか…った……ね……」


 目を閉じたまま、葵が言った。

 少し微笑みも浮かべて…。


 まさか…。

 僕は慌てて葵を抱きしめた。

 あいつ…まさかずっと覗いてたんじゃ、ないだろうな…。

 ったく、油断も隙もあったもんじゃない。
 
 ここは一つ、釘を刺しておくか…。


「おいっ! どこの誰か知らないけど、葵は僕のものだからなっ! 金輪際つきまとうなよっ」



 風は、今度は反対側の障子を揺らして…出ていった…。
 


   
ありがとね…ぼく…。



 そして、葵の枕元には、なぜか、イチゴ飴が……。




お・し・ま・い


ひとつ前へ戻って『本当にあったコワい話』を読みたい方はおばけをたっち…。


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