〜お化け屋敷〜

その後のその後

ここまで来たのねっ!あんたはエライ!!





「葵を絶対一人になんかさせないから…」

 悟のその言葉の、最後の方はもう霞み始めていた。
 悟の両手と、温かい唇が僕の身体を溶かしてしまう。

「…うん…。一人に、しない…で…」

 それだけ言うのがやっとで、僕は呆気なく理性を手放した。



 悟が直接触れてくる頃には、僕はもう十分に煽られていて、ダイレクトに響いてくる快感に全身で耐える。

 悟はそんな僕を追い上げてからそこへ置き去りにする。
 解放を願って耐える僕に、十分すぎるほどの準備をするために。


「さ、とる…! もう……」
「まだダメ」
「も…や…ぁ」
「ダメ。辛いのは葵だよ」


 いい…辛くてもいいから…終わりが……欲しい……!


「ひとり…に、しな…いって……いった…ぁ…」
「…葵?」
「ぼく…だけ……や、だ……」 


 僕の体を、悟の体温と重さが覆った。


「いつも、一緒だよ。葵は一人なんかじゃない。僕がいつも、見てる」
「見てるだけなんて…やだ…」
「一緒に、感じてる…」


 悟は手を止めて、僕をジッと見つめた。


「ほんと…に?」


 そう聞くと、悟は綺麗に微笑んで、『うん』って、幸せそうに言った。


「だから、もう少しだけ我慢しようね」


 …それから、僕はまた追いつめられる。  

 そうして、望むものが漸く与えられた時、僕はしっかりと悟にしがみついて、離すまいと力を込めた。


「…っ……こら、あおい。そんなに力入れないで」

 悟はそんな僕に、宥めるようにキスを繰り返し…。

「……ぁ…あぁ…っ」


 身体だけでなく、心も感覚も悟でいっぱいになって…、ゆっくりとした動きの悟に、すべてを預けてしまう。

 まるでゆりかごの中の赤ん坊のように…。

 そして、そのゆりかごが、やがて嵐に晒された船のようになっても、僕は自分を手放すまで、悟にすべてを…。


『いつも一緒だよ…』


 そう囁かれて、僕はちゃんと応えられただろうか…。 



END



「お化け屋敷」、これにて一応(笑)終了でございます。
最後まで(え?)おつき合いいただき、ありがとうございました(^^ゞ

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何? まだ4ページ目だって?
 実は、オチがあるんですよね〜(*^_^*)

オチへGO!
本当にあったコワい話へGO!