まつさまからの爆笑頂き物

『贋作:私立聖陵学院学生食堂!おばちゃんの手記』

その4

〜お掃除のおばちゃんは見た!裏山に響く怪しい声。
学院アイドルちゃんの秘密が今、暴かれる?!〜


 秋だね〜。
 秋といえば実りの秋。

 ここ聖陵学院の裏山一帯も、実のなる木が結構あるのよ。
 生徒さんは興味ないかもしれないけど。
 だってすぐに食べられるのは少ないからね。

 春は梅、秋は栗。あと校内には銀杏の木もあって、落ち葉掃きするあたしたちが優先的に頂いちゃう。
あ、ずるいんだ。
 でもあれ臭いからね。生徒さんは貰っても困ると思うけど。
寮中あの匂いに充満された日にゃ…(爆)
 どのみち、食堂の小百合ちゃんたちにもたくさんあげてるから、それが生徒さんの口に入ることになるんだけどね。
葵は銀杏大好きですv
 裏山のも仕事の合間にあたしたちが登って取りに行ったりしてる。
 食堂で出る栗ご飯や梅干し、あれの原材料の一部はあたしたちが取ってるんだよ。
すごいよ〜おばちゃん。聖陵って自給自足のエコな学校だったんだ
 そんなこんなで、今日もお掃除仲間たちと、それから珍しく小百合ちゃんも一緒に、栗を取りに裏山に登ったんだ。

 結構収穫あって、それじゃちょっと休憩してもうひとがんばりするか〜ってことで、みんな腰下ろしてしばしお昼寝タイム。

 ちょっとのつもりが、結構みんな疲れてたみたいで、すぐ熟睡しちゃった。

「……・」

 ん? なにやら話し声が聞こえるよ?

 まだ頭が寝ぼけてるみたいで、誰の声かまではわからないんだけど、どうやらあたしたちの他にお客さんが来たらしい。

 うーん、この声は男だね。
 …って、ここ男子校で先生も圧倒的に男が多いから、当たり前だって!

「あっ、そこは駄目、悟…」
「…葵、ここならいいかな…?」
「…ん…いや…」
え…ええっ…えええっ!
 目、しっかり覚めちゃった。
うん、私も。
 …ちょっとちょっとちょっと〜!!
 どーゆーこと?! これは?!

 この声、この固有名詞、どう考えても学院アイドルちゃんと超有名三兄弟のご長男…。
そのとーり!
 なんだか二人ともみょーに甘ったるい声なんだけど。
 まさかまさかまさか、この二人って…?!
 そ、そ、そ、そーゆーこと?!
にやり
 いや、こないだも裏山から二人一緒に下りてきたの見てるから、なんだか怪しい、とは思ってたけど。
葵、ちゃんと歩けてました?(爆)
 …まさかほんとに…?
 これはひょっとしたらいいものが見られるかもしれないよ?
 さっさとみんなも起こしとかないと、後が恐いね。
そうそう、一人で楽しんだらダメ〜v
 慌ててみんなを(もちろん小声で)起こして、全員匍匐前進状態で両手に小枝持ってカムフラージュして、そろりそろりと声がしている方へ近づいてみたんだ。
さすがだ、おばちゃんv 温泉ではシュノーケル隊だし(爆)
「だから、ここでブレス入れて一旦ためた方があと吹きやすいと思うんだけど、葵はどう思う?」
「確かにそうだけど、でもここで入れたら、悟が合わせるの大変じゃない?」

 葵くんと悟くんが寄り添って楽譜見てたんだ。
 …なんだ〜。もっといいもの見られるかと思ってたのに。がっかりだわ。
と思ってたら、
「僕は大丈夫だよ、葵。葵が自由に吹くために、僕がいるんだから…」
「悟…」
お…?
 …なんだか雰囲気怪しいんですけどー?
 見つめ合っちゃってるし、二人。
 じーっと見ていると、悟くんの手が葵くんの肩に掛かり、そして二人の顔がそっと近づいて…
わー、わー、わー!
「悟、葵、こんなところにいたんだ?」

 こ…この声は、超有名三兄弟の3男坊・守くん…つまり、悟くんの弟。
 くーーっっ、いいところでーーーーっっ!!
まもちゃん〜!何てことをぉぉ!!
「二人とも、光安先生が捜してたぞ?」
「え、そうなの?」
「もうあまり休み時間もないな…急ごう、葵」
「うん、悟」

 立ち上がり、行こうとする悟くんを引き留めて、守くんがなにやら耳打ちしてた。
 そして悟くんがちらりとあたしたちが隠れてる方見て…
流し目悟…
 うっ、もしかして、ばれてる?!
ぎくっ…。
「悟、早く」
「ちょっと待って、葵…糸くずが付いてるよ」

 悟くんが葵くんの髪に付いていたらしい糸くずを取った。
 なんだ、ひょっとしてさっきのって、糸くず取ろうとしてただけ?
にゃんだ〜
しかしなんて言うか、くっついてるとすごく絵になる二人だね…うっとり。

「ほら取れた。さっきから気になってたんだ」

 …でもほんとについてたのかな〜。悟くんが葵くんの髪に触れる直前、ポケットの中に手を入れてたの、なんか怪しいんだけど。
マジシャンかっ?悟っ!! 
「ありがとう、悟」
「さあ、早く行こう、葵。…教えてくれてありがとう、守」

 そう言い残して、今度こそホントに二人は行ってしまった。
ふ〜vドキドキしちゃったよ〜
 あー、びっくりした。気がつかれたかと思った〜。
 …とりあえず、大丈夫かな?

 ほっとしたのもつかの間、

「おねーさんたち、何やってるの〜?」

 ま、守くん…やっぱり気がついてたんだね…
あわわ
 渋々立ち上がったあたしたちの方に、守くんが近寄ってきた。

「あ、栗拾いしてたんだ。重そうだね、俺が持ってあげよう」
や、優しいじゃん、まもちゃんってば〜
 そういって、あたしたちが持ってた栗入りの袋を取り上げて、肩に担ぎあげる。
お、慎吾ママ並に筋肉ついてるね(爆)
「ねえねえ守くん。あの二人っていったいどういう関係なんだい? ただの先輩後輩にしちゃ、やけに仲良さそうじゃないのさ」

 小百合ちゃんがあたしたちがさっきからずーっと抱いていた疑問を守くんにぶつけた。
そうそう、私もしりたーい!
 そしたら守くん、ほんの一瞬「しまったな〜」って顔したの、あたしは見逃さなかったよ。

「なんか知ってるね、守くん?」

すかさずつっこんでみた。

「実は、」
「実は?」
「二人は小さい頃生き別れになった兄弟なんだ」
あ、そんな、いきなり本当のことを…(爆)
 はい〜????

「またまた、守くんったら。どうせ嘘つくならもうちょっとましな嘘つきなよ〜」
お、おばちゃ〜ん!!
「へへへ、ばれた? もう、おねーさんたちって、チェック厳しいから思わず嘘ついちゃったよ、俺は」

「で、本当のところはどうなんだい?」

 小百合ちゃんもつっこむ。
いけいけ〜!
「さあ、どうなんだろうね、俺にもわからないや…それよりおねーさん、この栗何にするの? 俺栗ご飯好きなんだけど」

 うーん、守くん、はぐらかしたね?
さすが、この歳にして百戦錬磨の男・守(笑)
 案の定、みんなは栗談義の方に頭が行っちゃったらしく、楽しく栗の料理の仕方なんかを話してる。

「小巻ちゃん、」

 小百合ちゃんがあたしをみんなからちょっと離れたところに引っ張った。

「何、小百合ちゃん?」

「実際のところどう思う? あたしゃ、あの二人怪しいと思うんだけど…」

「小百合ちゃんもか〜。あたしも怪しいと思うんだけど」
思う〜思う〜!!
 やっぱり小百合ちゃんははぐらかされなかったか。

「今度こっそり、葵ちゃんと悟くんの同室の子たちに探りを入れようと思うんだけどねぇ」
トンカツ大盛りで親友を売るのか、大貴!(笑)
「それじゃ、あたしも寮の方の掃除の時にゴミ箱とかチェック入れてみるよ」
な、何が出てくるの…?やっぱ、使ってる…?(おいっ)
 いつかきっと、二人の秘密を暴いてみせるよ!
 ふふふ、見てろよ〜!!
楽しみ〜o(^-^)o

 本日の教訓:時に真実は嘘よりも嘘っぽく聞こえることもある…(笑)
同感で〜す!
その5へつ・づ・く



おばちゃんたち、ますますパワーアップ!?
しかし、ここで守が登場しなかったらどうなっていたんでしょうねぇぇ。
おばちゃんたち、現場をみてパニック?
いやいやそんなはずはないですねv
おばちゃんたちは常にデジカメを携帯しているという噂も(爆)

それにしても、寮のゴミ箱からはいったい何が…。

まつさま、ありがとうございました〜!!chu!!