さっさと昼ご飯をすませて、好きなことしてお昼休みを過ごそうっていう生徒さんたちが何人か固まって食堂を出て行き、満員御礼だった食堂も少しずつ席が空き始めたよ。
混雑を嫌う生徒さんや先生なんかは、この時間帯を狙って食堂にやってくる。
どうやら光安先生もそっち組みたいだねぇ。
センセは優雅にランチタイムだよ〜んｖ
おや、その後ろにいるのは昇くんじゃないかい。
今日は先生と一緒にお昼なんだね。
いつもはセンセの部屋で二人きり…とか（笑）
ピーク時より若干短くなったとはいえ、まだ何人か並んでる列の最後尾につけて、なにやら音楽の話をしてるよ。
熱心だねぇ、休憩時間まで音楽の話かい？
他の話は二人っきりの時…ねｖ
さすがは管弦楽部の顧問と、あれ？ なんていったっけ？ オーケストラで一番偉い人って…コンサートバスターだっけ？
なんか違うような気もするけどまあいいや。
あっはっは！おばちゃん！座布団１０枚っ！
「ねえねえ、今日のお勧めって何？」
にっこり笑って昇くん。
近くにいた生徒さん、あっさりノックアウトされちゃってるよ。
おばちゃんもクラクラ？
…おやおや、光安先生、その生徒さんを一瞬睨んだね？
おばちゃんはちゃんと見てたよ〜？
ふふっ、さすがおばちゃん、この道ン十年（笑）
先生も昇くんにノックアウト組のようだねぇ。
そうか、先生の『積年の思いを遂げた』相手ってのは昇くんのことだったのかい。
きゅ〜、バレてるよ〜！せんせいっ！
「今日のお勧めは魚、いい鰺が入ってきたからねぇ、焼き魚定食と鰺のたたき定食にしてみたよ」
昇くんは外見まるっきり外人さんで、食べるものは薔薇の花と紅茶、みたいなイメージがあるんだけどね、でも実はかなりの和食派。
彼が納豆かき回してる姿はすごい違和感があるってみんな言ってるよ。
『フリルのブラウス』で納豆かき混ぜてる姿を想像してみよう！
壮絶な違和感だ！
「あ、いいね、焼き魚！でもたたきも美味しそうだし…」
しばらく悩んだ後に昇くん、
「じゃあ、焼き魚とたたきを１つずつ」
…って２つも食べるのかい、定食を？
む。見かけによらず大食いなのかっ？！
「半分こしてよね。いいよね、先生？」
またにっこり。
おお。そういうことか。あついねぇ、お二人さん。
話を振られた当の先生、慌ててるよ…
そりゃそうだろうねぇ、光安先生って、確か…
そう！先生は…！！
「…昇」
「この前のことはこれでチャラにしてあげるよ。センセ、最近カルシウム足りてないみたいだからさ、ちゃんと食べてよね」
この前のことってなんだい、昇くん…おばちゃん、すごく気になるよ。
カルシウム不足→つい、いらいら→ムラムラ→野獣化→鬼畜攻め（笑）
光安先生、「あのときは結局昇だって最後は…」なんて小声で言ってたんだけど、昇くんしっかり聞いてたみたいで。
あーあ、足踏まれちゃったよ。
いやよいやよも好きのうち（笑）
空いてる席に座った二人、さっそく鰺の塩焼きとたたきを半分こ。
仲良しｖ
でも昇くん…塩焼き解体するのはいいんだけどさ、中骨がついてない方を自分の方に、骨付きの方を先生の方にって、はっきりっていじめて遊んでるね？
小悪魔の本領発揮！
先生、骨付きの魚駄目だもんねぇ。
昇くんが魚食べたあとに残った骨は猫またぎとまで言われてるけど、先生は全く正反対。
先生の食べ残しをうっかり放置してたら猫がいっぱいやってきたっていう伝説があるくらいさ。
先生、いやそうな顔して焼き魚食べてるよ。
まあでも、なんだかんだ言って先生も昇くんも、お互い楽しそうだから、いいかねぇ。
まったく、暑くてしょうがないよねぇ。
で。このあと昇くんは先生に、ちゃ〜んと魚を解してあげました。
いつもとろけるまで解してもらってるお礼です（おいっ）
さてと、葵ちゃんたちはどうなったかな。
わくわく〜ｖ 続きが楽しみ〜ｖｖ
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