I Love まりちゃん
2005年七夕企画
〜まりちゃんの願い事〜
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6月も終わりの頃のある日のこと。 実家のマミーから『2泊3日で温泉に行ってくるから留守するわね』と電話があった。 え? なんで『マミー』なんて呼んでるかって? だってさ、お袋…いや、マミーってばさあ、『まり、あなたね、お嫁に行ったんだから、その“おふくろ”なんて言うかわいげのない物言いやめなさい』なんて面倒なこと言いだしやがったんだ。 親父に言わせると、『老け込んだような気がするから嫌だって前から言ってたけどな』なんて笑ってたけどさ。 でも、大学生にもなって『マミー』なんて恥ずかしい呼び方絶対ムリって思ったんだけど、よく考えてみたら、ロープレなんかに出てくるミイラのキャラクターが『マミー』ってんだよな。 んじゃ、まあいいか――頭の中で画像をミイラに変換しとけばいいんだもんな――ってわけで、ちょっと前から俺はお袋のことをマミーって呼んでるんだ。 ついでに『俺ってのもやめなさい』って言われたんだけど、そればっかりは聞けねえよな。 今さら『僕』なんて、鳥肌もんだぜ。 でもさ、俺が素直に『マミー』って呼んだもんだから、お袋――いや、マミーだった…――は上機嫌で小遣いくれちゃったりしてさー。 こうなったらもう、脳内でミイラに変換してます…とは死んでも言えないけど。 ちなみに親父は密かに『ダディー』って呼んでほしいと思ってるらしいけど、それは絶対パス。 あれはおふく…じゃなくて、マミーの尻に敷かれてる『親父』って生物だからな。 それに、『ダディー』ってキャラクターいないしさ、脳内変換できないじゃん。 で、なんか話が逸れちまったけど、そのマミーからの電話を最初に取ったのが智だった。 もちろん万事にそつない――いや、それだけでなくて本当に俺の両親を大切にしてくれるから――智としては、時候の挨拶も両親の体調を気遣う台詞もばっちりなんだけど…。 『電話切る前にもう一度俺に代わって』と言った智の目には何やら企み事の光が…。 案の定、俺との会話が終わった後、智とマミーは何やらごそごそと話をしていた。 でさ、電話のあと、『なんだったんだ?』って聞いたらば…。 「うん。お母さんにちょっとお願いごとをね」 って、ウィンクしやがった。 「なになに?」 俺にナイショのこと? ちょっと不安になってみれば…。 「直の小さい頃のアルバム見せて下さい…って頼んだんだ」 はあ? 「俺のアルバムぅ?」 なんでそんなもん見たいんだよ。もっと面白い話かと思ってた。つまんねえの。 「そう、直が産まれたときから小学校を卒業する頃までの成長アルバムをね、見たいなと思ってさあ」 「んなもん見て面白いか?」 「そりゃあ愛する直の写真だからね、どんな時のも見ておきたいじゃないか」 にこっと微笑まれて何故か顔が火照る俺。 そんな俺の顔色に気付いたのか、智が今度は意味深に笑って俺の肩を抱いてきた。 「あ、悪趣味だよな、智って」 それがなんだか照れくさくって、ついつい憎まれ口をきいちゃうんだけど。 …そうだ! 「なあ、俺ばっかずるいじゃん。俺のを見るんなら、智のも見せろよ」 そういや、俺だって中学以降の智の写真はいくつかもってるけど――クラスで撮ったのとか、部活の合宿とか、修学旅行とかさ――小学校までの智って全然知らないよな。 どーせこいつのことだから、オコサマの頃から賢そうでカッコよかったんだろうけどさ。ふん。 「あ〜、俺のねえ…」 けれど、どうしてか智はマジで思案顔になった。 「なんだよ。ヤダとか言わせねーぞ」 「いや、ヤダとかそんなんじゃなくてさ、あるかなあと思って」 へ? 「あるかなあ…って」 普通はあるだろう? 子供の頃の写真ってさ。 よく『最初の子供だけ異様に多い』とか『二人目以降は急に少なくなる』とかいう話は聞くけどさ。 俺なんて一人っ子だからめちゃめちゃ多いんだけど、智だって一人っ子だしさ。 あ、でも…。 「ほら、うち親子で出かけるとかそう言うの全然なかったしなあ」 あああ、やっぱり…。 智んちは、何年か前に両親が離婚してて、お母さんはすでに他の家庭に収まってる。 お父さんとは仲良くやってるけど、それは現在の話で、離婚が決まるまでの家庭の中は冷凍庫並みの室温だった…らしい。 「ふふっ」 ふふっ? 「直ってば、なんて顔してるんだよ」 軽くでこピンを繰り出しながら、智が笑う。 「正直、写真を撮った記憶ってあんまりないんだけど、皆無ってわけじゃないからさ、探しておくよ」 特に…というか、まったく気にした風もなく、智が言う。 「…とも…」 「俺は直の写真さえ見られればいいんだからさ」 そんな智に、俺は小さく『うん』と言うしかなかった。 ☆ .。.:*・゜ それから俺は、何かってーと智の写真のことを思い出すようになったんだけど。 チャンスは意外に早くやって来た。 ここしばらくずっと忙しくて顔を見てなかった第2秘書の長岡さんと会えたからだ。 大学になって、テニスサークルに入ったはいいものの、今までテニスラケットなんて握った事すらなかった俺のコーチをしてくれるって約束してたのがやっと実現したんだけど。 で、俺はこっそり頼んでみた。 ちょうど智はテニスクラブ専属のコーチに掴まって、相手をさせられていて、ベンチには俺と長岡さんの二人きり。 「ねえ、長岡さん」 「何? まりちゃん」 だから、まりじゃねえ…つーのに。 「智の…小さい頃の写真って、ないですか?」 ただの秘書さんならこんなこと聞いても仕方ないんだけど、この長岡さんはなんと、智のお父さんの義理の弟なんだ。 俺も最近知ったばっかりで、ちょっとびっくりだったんだけどさ。 智のお祖父さん――つまりお父さんのお父さん――は随分と早くに亡くなっていて、お祖母さん――お父さんのお母さん――が、女手一つでお父さんを育てたんだそうだ。 で、そのお祖母さんが再婚した相手が長岡さんのお父さんで、随分年の離れた義兄弟が出来上がったってことなんだ。つまり、義理とは言え、長岡さんと智は『叔父と甥』の間柄になるわけだ。 智と長岡さんの年齢差は10歳で、長岡さんとお父さんの年齢差が21歳だから、世代的にはあるべき方向と反対にずれてるけどな。 「智雪くんの小さい頃の写真ねえ…」 長岡さんはちょっと考えて…。 「響子さんなら持ってるかもしれないね」 響子さんってのは、長岡さんとお父さんの『お母さん』――つまり智のお祖母さんの名前だ。 元女優さんだったそうで、親父がブロマイド(死語だよな…)もってたとかって騒いでたっけ。 「智雪くんは響子さんのたった一人の、しかも自慢の孫だからね。聞いてみておくよ」 他家へ再婚で嫁いた後に生まれた智だから、お互い遠慮があって、会うことは少なかったって聞いてたんだけど、智も慕っているっていうのは時々聞く話からよくわかってたことだし、そうだよな、やっぱ自慢の孫だよな。 「わーい! お願いします!」 やった! やっぱり長岡さんは頼りになるう〜。 と、感激していた俺に衝撃の一言が。 「そうそう。まりちゃんにも会いたいって言ってたよ」 …へ? 「いつになったら連れてきてくれるんだろうって言ってたから、今度一緒に遊びに行こうか」 ででで、でもっ。 「でもっ、そのっ…」 俺と智の関係はちょっと人には説明しにくい。会社の吸収合併に絡んだ単なる養子縁組だと説明されてたらいいんだけど…。 そんな俺の心配をあっと言う間に見抜いた長岡さんは、思わず見惚れてしまうような可愛い笑顔で言った。 「ああ、心配ないって。響子さん、全部知ってるから」 げっ。 「だって、『あの』会長を産んで育てた人だよ?」 「……そうでした…」 それに、よくよく考えたら、長岡さんだって小倉さんっていう『恋人』とラブラブ同棲中だもんな。 で、その後どうなったかってーと。 さすが長岡さん。約束してくれたとおりちゃんと『響子さん』に尋ねてくれて、『思ってたとおりだった』って、結構な数の写真を発掘してくれたんだ。 智のおばあちゃんは、たまに会える貴重なチャンスに写真を撮りまくってたらしい。 しかもそれを全部CDに焼いてくれて、特にこれは…っていう可愛いショットの写真はプリントして、なんと革製のフォトスタンドに入れてプレゼントしてもらっちゃったりして。 それにしても、智も小さいときは可愛いじゃん。 身体も小学校の3年くらいまでは標準サイズ。でかくなり始めたのは高学年になってからのようだ。 そして、そんな写真を智も『へえ〜、こんなにあったんだ』って珍しそうに見てて、『今度、一緒におばあちゃんに会いに行こう』って約束したりもして。 とまあそんなわけで、俺は智の写真をGETしたわけなんだけど、ここでふと考えた。 長岡さんになんかお礼できないかなって。 写真の話をしたとき、長岡さんも『確かに恋人の小さいときの写真って欲しいよね』って言ったんだ。 その言葉の裏には、『欲しいけど持ってないんだなー』みたいなニュアンスがあったような気がして、俺も気になってたんだけど。 俺と智みたいに中学1年っていうガキの頃からのつき合いならともかく、長岡さんと小倉さんは社会人になってからの出会いだから、子供の頃のものって、もう手元に置いてないのかもしれないな。 それに小倉さんってそう言うのを進んで見せるような人にはとっても見えないし。 でも、俺って小倉さんのプライベート何にも知らないから――一番下の妹さんはすっげえ有名な女優なんだけどさ――そんな俺が小倉さんの小さい頃の写真なんて入手できるわけないしなあ…。 なんて、智にチラッと話したら、『小さい頃のは無理だけど…』って、机の引き出しをゴソゴソし始めたんだ。 そしたら…。 「あった!」 でてきたそれは何と、智と小倉さんが初めて会った日のツーショットだった。 智はこの時小学校2年生。小倉さんは24歳。 お父さんに引き抜かれてMAJECに入社したときのものだそうで、今からざっと11年前…ってところだ。 「懐かしいな」 どこか緊張感を滲ませてぎこちなく笑う二人のツーショットを眺めて、しみじみと智が言う。 それにしても、小倉さん、やっぱり若いっ! 今や大人の色気と貫禄満載で周囲を圧倒している小倉さんだけど、さすがに24歳はピチピチで、今が今だけに可愛らしさすら感じてしまうんだな、これが。 「でも、よくこんな写真撮ってたよな」 普通、会長令息と新入社員なんて接点ないもんなあ。 そんな俺への智の答えは結構オドロキなものだった。 「親父がさ、今日連れてくる新入社員は、いずれMAJECにとってなくてはならない人になるから…って言ったんだ。だから俺、一緒に写真撮ったんだと思う」 う。さすがお父さん。小倉さんって人をそこまで見抜いての引き抜きだったんだな。しかもそれを小学校2年の息子に言うってところが凄いや。 でもって、言われて写真に残す智も智だよな。 ほんと、そっくりの親子ってか。死んでも智には言えねーけどさ。 ってわけで、俺と智はその貴重な写真を焼き増しして――今やネガが無くても焼き増しできる便利な世の中だし――長岡さんにプレゼントしたんだ。 で、思ってたとおり、今の自分より若い小倉さんの写真に長岡さんは大喜びしてくれて、なんと会社のパソコンの壁紙にしちゃったらしい。 小倉さんには絶対ナイショだけどね…って長岡さん笑ってたけど。 でも、喜んでもらえてほんとによかった。 で。 天災は忘れた頃にやってくる。 7月に入ったある日、宅急便が届いた。差出人は温泉旅行から帰ってきたらしいマミー。 結構でかい、クロネコイラストの段ボール箱の中身は、温泉旅行の土産らしき数点と、そして…俺の成長記録の数々…。 「うわ〜! たくさんある〜!」 智は大喜びでアルバムを漁り始めた。 …っとに、恥ずかしいったらねえぜ。 「あ! 噂の腹掛け写真だ!」 何が噂だ〜! 「可愛いなあ〜。ほら、黄色の腹掛けしてハイハイしてるー」 紙おむつに腹掛けだけ…っていう超恥ずかしい写真だけど、…まあ、まだ歩けもしねえ赤ん坊の頃のだからな…。 なんて、俺もちょっとは寛容になって智が喜ぶのを『ま、いいか』って眺めてたんだけど…。 ん? これなんだ? 何冊もある分厚くて偉そうなアルバムの脇に、ひっそりと小さな紙のアルバムがあった。 ほら、写真屋とかで現像したらタダでくれるじゃん。あれ。 智は他の写真に夢中になってるから、俺はそれを何気なしに開けてみたんだけれど…。 七夕? 中にあった十枚足らずの写真は、どれもこれも同じ角度で七夕飾りと俺が一緒に写ったものだった。 どうしてこんなに同じ写真ばっかり…ってよく見てみると。 一枚を追う事に、俺が微妙に成長してるんだ。 そっか。そう言えば毎年願い事を書いた短冊と一緒に撮ってたっけ。 『直のお願いが叶うといいね』…なんていいながら、お袋…じゃなくてマミーが短冊を用意してくれてさ。 あの頃はまだ『まり』なんて呼ばれてなくてよかったよなあ…。 でもこうして同じように写すと、年々の変化がよくわかって面白いよな。 …ってか、俺、途中からあんまし変わってねえような気がしないでもないけど…。 お。願い事も年々成長してるじゃないか。 読めるか読めねえか…って瀬戸際くらいの字で書かれてる願い事は、『がんだむのちょうごうきんがほしい』なんて書いてある。 ったく、ガキだなあ。サンタクロースへのお願いじゃないんだからさ。 マミーが体調崩した頃の短冊には『おかあさんがはやくげんきになりますように』なんて書いてある。 優しい息子じゃん、俺ってば。 そんなのをパラパラと見つつ、懐かしいなあ…なんて思ってたら。 ……こっ、これはっ?! どうやら小学校3年くらいの俺。 妙に可愛いTシャツを着せられて、にっこり笑ってるその横にぶら下がる短冊。 そこには衝撃の『願い事』が書かれていたっ。 『かわいいおよめさんになりたい』 だだだ、誰がこんなもの書いたんだっ! …って、どう見ても俺の字だけどっ。 あっ、そうか! ガキすぎてヨメの意味がわかってないんだ! きっと当時の俺的には『かっこいいおむこさんになりたい』って意味だったに違いないっ! 「あれ? 直が見てるのは何?」 ぎゃああああああああああああああ! 幼き日の勘違いだろうがなんだろうが、こんなものが智の目に留まった日には…! 「や、ななな、なんでもねえ!」 「え? だってそれもアルバムだろ?」 「あっそうだ!智!」 「何…?」 慌てまくる俺に、智の瞳がスッと細くなる。 やばいっ、怪しまれたっ。 「あ、明日七夕じゃん!」 「…そうだけど」 「なあ、今年から毎年、二人で笹飾り作って、短冊に願い事書いて一緒に写真撮るってのどうっ?」 「…毎年写真を?」 智の瞳が柔らかくなった。あと一押しっ! 「そ、そうっ。記念になるじゃん? その年々の願い事と一緒に残して、アルバムにするんだ」 「…いいね。それ」 「だろっ?」 「そうと決まれば早速笹飾りの買い付けだな」 「そうそう!」 やった〜! 誤魔化されてくれたっ。 こうして俺たちは、アルバムを出しっぱなしでそそくさと買い物にでかけてしまったんだ。 その間に、この家のもう一人の家族が『緊急出張準備』の為に一時帰宅するなんて、その時の俺には考えもつかないことだった…。 ☆ .。.:*・゜ 「まりちゃん、ただいま〜!」 七夕の日からNYに行っていたお父さんが1週間振りに帰ってきた。 「お帰りなさい〜!」 「お父さんっ。直に抱きつかないで下さいっ」 「…智雪のけちー」 相変わらずのやりとりに、俺が吹きだし、そして智は夕食の用意のためにまたキッチンに戻っていって…。 そこまではいつもの『日常』だった。 ところが。 「ね、まりちゃん」 「はい?」 「ダディーって呼んで?」 ………………………はい? 「ダディーって呼んで〜」 …………………………これって…。 「お、おとうさんっ」 「ダディ〜♪…だってば」 じゃなくて! 「ど、どう言うことですかっ?」 いや、絶対元凶は「マミー」だ! お袋のヤツ、お父さんに自慢したに違いないっ。 「どうもこうもないよ。私は可愛いまりちゃんに『ダディー』って呼んで欲しいだけだよ?」 「そそそ、そんなのっ」 絶対ムリ〜! って、後半は言葉にならなかったんだけど、そんな俺を見てお父さんは上着の内ポケットにスッと手を入れた。 そして、出てきたのは、俺がこの世で一番抹殺したい…アレ、だ。 どう見ても特注品の、革製のポケットアルバム(中身は俺ばっかり)をこれ見よがしにパラパラとめくり、お父さんは俺の顔を見てニコッと笑った。 「実はね、まりちゃん。とてもレアな写真を入手したんだよ」 …え? お父さんの手元が、まるで熟練のマジシャンのようにヒラリと翻り、俺の目の前にチラリと見えたのは…。 『かわいいおよめさんになりたい』 「これが智雪の目に入ったら大変なことになりそうだねえ〜」 おおお、お父さんっ。いったいどうしてこれをっ! 「智雪もなあ、誰に似たんだか随分節操ナシになってしまって…」 誰って、そりゃ、お父さんに似たんでしょーが! 「まあ、こんなに可愛いお嫁さんをもらっちゃあ仕方がないけれどねえ」 …って、その壮絶な流し目はいったいなんですか…。 「と言うわけで…だ。まりちゃん。この写真、智雪には内緒にしておいてあげよう」 「う…」 「ほら、ダディー…って」 「何がナイショですって?」 出たーーーーーーーーーーー! 「おや智雪、いつの間に」 「廊下の隅で二人してコソコソしてたら目立つんです」 智はお父さんに向かってキッパリ言い、 「…で?」…と今度は高いところから俺を見下ろしてくる。 「何を隠してるの? 直」 …ひ〜、怖いんですけどぉぉ〜…。 俺は思わず縋るようにお父さんを見てしまう。 そうしたら、お父さんってば…。 ちらっとまたあの写真を…! 「だ…」 「だ?」 智が不審そうに俺を見下ろす。 「ダ…ディー」 蚊の鳴くような声でそう言うと、お父さんはしてやったりとばかりにニヤリと笑い、智は『何だ、今のはっ』とばかりに大きく目を見開いた。 すると。 「そうそう、智雪に話があったんだ!」 とってつけたように大きな声でお父さんがいい、智の肩を引き寄せて『こっちへおいで』と書斎へ引きずっていった。 …た、助かっ…た? 俺はへなへなと現場に座り込む。 …でもさ。 もしかして俺、これからずっと『ダディー』って呼ばなきゃいけないわけっ? …恨むぞ…小学校3年の俺……。 |
END |
こうしてまりちゃんの「幼き日の願い事」は見事叶ったのでありました。
ちゃんちゃん。
TONTOさまから激可愛い赤ちゃんまりちゃんをいただきました!
こちらからどうぞ〜!
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